一般に、回転運動を扱うときなどは、\(360^\circ\) より大きい角や、回転の向きを考えた角が必要になる。そこで、今までの \(0^\circ\) から \(360^\circ\) までの角を拡張することを考える。

 平面上で、点 O を中心として半直線 OP を回転させるとき、この半直線 OP を動径といい、その最初の位置を示す半直線 OX を始線という。

 動径の回転には2つの向きがある。反時計回りの向きを 正の向き、時計回りの向きを 負の向き という。また、正の向きの回転の角を 正の角、負の向きの回転の角を 負の角 という。

O X P 始線 動径 正の角 負の角

正の角は, 例えば \( + 60^\circ \) または単に \( 60^\circ \) と表し, 負の角は, 例えば \( -300^\circ \) と表す。

一般角

一般角(15度刻み):

弧の長さが \( \ell \), 半径が \( r \) の円弧のなす角 \( \theta \) を \[ \theta = \frac{\ell}{r} \] で定義する。

このような角度の表し方を 弧度法 という。弧度法は比で角度の大きさを表すため, 単位はないが, あえて単位をつけたい場合は ラジアン(radian) を用いる。また, これまでに扱っていた度(°)をつけた角度は度数法という。

以上のことより \[ \boldsymbol{\pi = 180^\circ } \] であるから, 度数法の角 \( \alpha \) に対して, 弧度法の角 \( \theta \) は \[ \theta = \alpha \times \frac{\pi}{180^\circ},\qquad \alpha=\theta \times \left(\frac{180}{\pi}\right)^\circ \] となる。

弧度法

度数法(15 度刻み):
弧度法 \( \displaystyle \left( \frac{\pi}{12} 刻み\right) \):